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人と犬との関わりは狩猟採集時代に始まります。3万年とも5万年とも言われる昔から、犬は私たち人間と生活を共にしてきました。猟犬、牧羊犬、そり犬、軍用犬などとして活躍してきた犬たちは多才な能力の持ち主。現代でも身障者を援助する盲導犬や聴導犬、介助犬、並はずれた嗅覚で犯罪捜査に参加する麻薬探知犬や警察犬など、社会に大きく貢献する犬がたくさんいます。もちろん、ほとんどの犬は家庭で飼われている“仕事”を持たない犬ですが、彼らも特別な能力を持つ犬も本質は同じ。人間に忠実で協調性があり、人の感情をよく理解する愛情深い仲間と言えるでしょう。
他方、猫が人間に近づき、一緒に暮らすようになったのは、犬よりずっと新しく、チグリス・ユーフラテス川流域に農耕社会が形成されたころだと言われています。トウモロコシなどの倉庫に集まるネズミや野ウサギを獲物とする“孤独なハンター”として定住したのが始まり。猫は今もその野生を持ちながら、愛くるしい“子猫の演技”で飼い主を和ませ、大切な家族の一員になっています。
最近では、犬や猫が「アニマル・アシステッド・セラピー(動物介在療法)」に貢献する機会も増えてきました。精神的に病んでいる人たちが動物に接すると、“癒し”や気持ちの活性化に効果があると期待されているものです。実際、養護老人ホームのなかには、お年寄りの方が犬や猫と接することで痴呆症の改善率が高まった、寝たきり状態だった身体機能が回復したといった例が数多く報告されています。カリフォルニア州の公営住宅では、高齢者に犬を飼うことを認めたところ、以前よりずっと生活に張りが出て、掃除の行き届いた部屋で規則正しく暮らすようになったそうです。
また、犬や猫がいると、知らない人とでも会話がはずむもの。彼らは身近にいて自分の話相手になってくれるだけではなく、人とのコミュニケーションを助け、社会との接触を増やしてくれる存在でもあるのです。
飼い主たちは、犬や猫のことを話すとき、一様に「この子は…」という言葉を使います。それはまさしく、彼らが家族の一員であることの証しです。彼らのために、快適な住環境を整えよう、健康に気をつけてあげようという気持ちが自然に芽生えます。また、甘やかすだけでなくしっかりとしつけをすることで、お互いの信頼関係が築けることを学びます。社会の一員として、マナーを守ることも教えなくてはなりません。それは「子育て」と同じ次元だともいえるでしょう。犬や猫は、「コンパニオン・アニマル」の代表です。ともに楽しく生きてゆける豊かな暮らしを、もっと多くの人々に実感してもらえたらと思います。
(N. Kogure) |
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